プレスリリース「南大洋が鍵を握る氷期の大気中二酸化炭素濃度変化」R3年8月26日

東京大学大気海洋研究所の小林英貴研究員(モデル班・研究協力者)、岡顕准教授(モデル班・研究分担者)、阿部彩子教授(モデル班・研究代表者)は、海洋研究開発機構の山本彬友研究員(モデル班・研究協力者)と協力し、海洋炭素循環モデルを用いた数値実験で、氷床コア記録と整合した大気中二酸化炭素濃度の変化の再現に成功しました。

今回の実験では、氷期の南大洋における強い塩分成層と氷河性ダスト起源の鉄肥沃化の効果を適切に考慮すると、化学トレーサーの分布をうまく再現できることもわかりました。成層の強化は深海に炭素を隔離し、鉄肥沃化で炭素は効率的に下向きに輸送されるため、どちらも深海の全炭酸濃度を上昇させます。それは、炭酸塩堆積物の溶解とそれに続く海洋全体のアルカリ度の増加(炭酸塩補償)により増幅され、大気中二酸化炭素濃度の低下に大きく貢献することを明らかにしました。

この成果は「Science Advances」誌に掲載されました。

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東京大学大気海洋研究所プレスリリース
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